家賃6万円は「もったいない」?元賃貸住人が月6万円の注文住宅を建てた理由【実例】
こんにちは、アベです。
我が家も以前は家賃6万円台のアパートに住んでいました。
結婚当初は疑問に感じませんでしたが子供が生まれた後から「この6万円、ずっと払い続けて本当に良いのだろうか?」と疑問を感じるようになりました。
幸い私は家を建てる土地は所有していたので、息子が小学校入学前に家賃と同じ月々6万円の注文住宅を建てる決断をしました。
賃貸に毎月6万円を払い続けるのと、家を買うのとでは、どちらが本当にお得なのか?
土地の有無で支払条件は変わってきますが、将来のリスク、精神的な安心感を徹底的に比較した、我が家のリアルな体験談を紹介します。
なぜ「家賃6万円はもったいない」と感じたのか?
子供が生まれた頃から、まず第一に子供に資産を残してあげたいと考えるようになりました。
さらに、私に万が一のことがあった際に、妻子が住居に困らないようにという思いもありました。
賃貸の場合、家賃を払い続けても「資産が何も残らない」ですし、もし家賃6万円を10年間払い続けると、単純計算で720万円という大金になります。
それでも、私たちの手元には何も残りません。
我が家は土地がありましたが祖母が亡くなってから家を建てる計画でした。
しかしこれを親戚に頭を下げて前倒して進める計画を決断しました。
結構もめましたが・・・。
この背景には家賃を支払い続けるのは「もったいない」と感じたことと「子供の入学タイミングに合わせたい」という気持ちが大きかったです。
持ち家(戸建て)を選んで初めて分かった「もったいない」と単純に言い切れない4つのデメリット
家賃6万円を住宅ローン6万円に置き換えればOK、というほど単純ではありません。
家を購入したい人にとってはメリットばかりに目が行きがちですが、持ち家にも賃貸にはない費用やリスクが存在します。
具体的なデメリットを見ていきましょう。
毎月の住宅ローンに上乗せされる「見えない固定費」:修繕費と固定資産税
「家賃6万円はもったいないから、同じ6万なら住宅ローンにあてた方がお得」と考えがちですが、持ち家を持つとこんな費用がかかります。
持ち家を持つとかかる費用
- 将来の修繕費用
- 固定資産税
一戸建て住宅の修繕費の実態は約36年で平均556万円だそうです。
木造の新築一戸建てを購入し、そこに 30 年以上住んでいる人 495 名を対象に、「一戸建て修繕の実態」に関する調査を行いました。
◆平均築年数 35.8 年 これまでに使った自宅修繕費 平均総額 556 万円
◆自宅の修繕費は毎月積み立てるべき 53.5%
◆修繕費を毎月積み立てていた 9.9%
2016年新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く「一戸建て修繕の実態」調査より引用 ※途中一部省略
このデータから分かるように修繕費を積み立てている人は実際10%に満たないことが分かります。
一方で50%近くが積み立てておくべきだったと後悔しています。
約36年で平均556万円の修繕費がかかっていることから、月々1万3千円程度積み立てていれば平均的な修繕費は積み立てられそうです。
固定資産税は土地の路線価や建物の価値によって決まりますが、戸建ての場合の平均額は以下の通りです。
戸建ての固定資産税の平均額は10~12万円
戸建ての固定資産税は平均10~12万円ほどで、マンションや土地よりも高額になります。戸建ての課税額が高額なのは、建物+敷地で2つの不動産の評価額が合わさるためです。
このように月々6万円のマイホームを建てたとしても実際は修繕費・固定資産税の支払いに積み立てる額も必要です。
住宅ローン以外の総費用も想定することが大事です。
意外と高額な「初期費用」:最低でも100万円の現金は必要
月額6万の住宅ローンで計画しても、マイホームを購入するためにはその他の初期費用(火災保険・登記費用・銀行費用等)がかかります。
この額を住宅ローンに組み込むことも可能ですが、頭金が多い方が住宅ローン金利が低くなることもあるので現金があった方が支払いが有利になります。
将来の家族構成や環境変化への対応が難しい
家賃6万円がもったいないからと家を建てる前に金銭面以外でのリスクも把握しておかねばなりません。
今の家族構成が例えばお子さん2人とご夫婦の4人家族の場合、将来お子さんが独立すると部屋が無駄になりがちです。
高齢になると階段の上り下りも辛くなるので2階は使わなくなるなど、家族構成の変化に合わせて住み替えることが容易な賃貸と比べると、持ち家はフレキシブルに対応しにくい側面があります。
近隣トラブルや金銭的リスクが生じても「身動きが取りにくい」
近隣トラブル
賃貸の場合、近隣トラブルがあったとしても容易に引っ越しが可能です。
一方で、持ち家の場合、家を売却するのはそう簡単ではないため、賃貸の方がフレキシブルです。
金銭的リスク
将来収入が不安定になったとしても、月々の返済額を変更することが難しいです。
賃貸の場合は家賃が安いところに住み替えやすいという強みがあります。
それでも我が家が「家賃6万円を卒業」し、戸建てを選んだ5つのメリット
上記のようなデメリットを理解し、それでも私が家を建てたのは、賃貸ではなく戸建てにする方がメリットが多いと判断したからです。
【老後リスク対策】高齢になっても住居を失う心配がない
賃貸物件は高齢者になると借りられなくなるリスクがあります。
65歳以上の「4人に1人」が賃貸住宅への入居を断られた経験あり。6割の20〜30代は、この問題を”知らない”
- 「ようやく借りられたのは事故物件だった」 実体験にもとづく、悲痛なエピソードが多数。
- 4人に1人の割合で入居拒否。そのうち、5回以上断られた経験がある人は13.4%。
- 6割の20〜30代が『住宅難民問題』を「知らない」。若年層ほど認知度が低い結果に。
- 72.4%の20〜30代が「社会問題としてもっと周知されるべき」と解答。将来への不安や改善の声も。
Q.具体的にどんな時が1番苦労しましたか?エピソードをお聞かせください。
①年齢を理由に入居を断られた
「娘が住む家近くに住みたいと思い、部屋探ししましたが、ほとんどの物件が年齢を理由に内覧もできなかったです。」
「年齢を聞いただけで「あっ無理です」と探す気も無い不動産屋や、一応電話をしてくれても嫌がっているのが電話の雰囲気で分かります。同じ事を何度も経験してめげました。」②急な立ち退きによる切迫感
「明け渡しを、短期間に迫られ、どうすることもできなくて、住む所がなくなるのかと恐怖感で一杯になった。市会議員の人が、間に入ってくれて、今がある。」③紹介された物件が劣悪な条件だった
「段差や階段の多い物件が多く、そもそも選択肢が少ない。知人がようやく借りられたのは事故物件だった。」
「大丈夫と言う処があっても古く、狭い、風呂無し、階段が狭く急な処が多く、また、陽当り悪く洗濯物を干す処がない、交通便が悪いなど悪条件が重なるうえ、不動産屋の口の利き方が酷い。」
このように賃貸は高齢になった時支払い能力があったとしても住居を失うリスクを抱えています。
持ち家の方がリスクが低い点が大きなメリットです。
修繕費はマンションと比較しても「戸建てだけが不利」ではない
戸建ての場合、自分で修繕積立を行う必要がありますが、目安としては月々1万3千円程度と紹介しました。
これに対し、新東亜工業|マンションの修繕積立金とは?管理費との違い・積立金の相場や値上がりする理由や会計処理について解説によるとマンションの
修繕積立金は築年数が経つごとに増加し、築20年を超えると月2万円以上、築25年を超えると平均3万円程度になるケースもあるとのこと。
こうした点から見ると、必ずしも戸建てが資金計画的に不利とは言えません。
建物が古くなっても「土地」という名の資産が残る
賃貸に6万円払い続けても将来資産にはなりません。しかし持ち家なら建物の資産価値が無くなっても土地という資産が残ります。
お子さんがいる世帯なら子供に残せるという点も大きいのではないでしょうか。
万が一の際も自宅を担保に「融資(リバースモーゲージ)」が受けられる
自己所有の自宅があれば、それを担保に融資を受けることが可能です。例えばリバースモーゲージのように自宅を担保に生活資金を借入れできる制度があります。
高齢者は融資を受けるのが困難なだけにメリットが大きいです。
団体信用生命保険で家族の生活基盤を守れる(+高い自由度)
住宅ローン借り入れ人に万が一不幸があった場合でも、団体信用保険に加入していればローンの支払いが無くなります。
子供や配偶者の将来を担保できる点がメリットです。
また、持ち家ならペット可の制限もなく、気兼ねなくペットを飼ったり、あなた好みの家にDIYするのも自由です。
まとめ:家賃6万円は「もったいない」?メリット&デメリットで判断は変わる
賃貸にも持ち家にも双方メリット&デメリットがあります。
何を重視するかで判断は分かれるところですね。
我が家は家賃月6万がもったいないと思ったのと、将来子供に資産を残せる、夫婦の老後の生活基盤になる、私に万が一があっても家族の生活を守れる点にメリットを感じ持ち家を選びました。
正解不正解は無いので、あなたのご家族が将来安心して過ごせる決断の参考にしてくださいね。
【体験談】月々6万円の支払いで、我が家が実現した戸建ての現実と総費用
「家賃6万円」がもったいない・家づくりを検討したい場合は、まずはあなたが借りられる総額を把握することが重要です。
住宅ローンを検討するアプローチは主に3つあります。
住宅ローンを検討する際の3つのアプローチ
- 世帯年収・借入期間・金利から総借入額を求める方法
- 月々の返済額から総借入額を求める方法
- 総借入額から月々の返済額を求める方法
これらを簡単に把握できるのがフラット35公式サイトです。
先の3つのアプローチで総借入可能額の目安がわかったら建築可能なハウスメーカーを調べます。
我が家は35坪の家を1800万円で建てました。
家には本体以外に諸費用もかかるので総額は2100万円くらいです。
私の場合土地はあったので購入する必要はありませんでした。

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あなたが土地から探す場合、導き出した総借入額で「土地+建物」を賄わなければいけません。
土地から探す場合は以下の記事を参考にしてください。
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