
注文住宅を検討していると、いちばん気になるのは「結局、総額でいくらかかるのか」ということではないでしょうか。
ネットには坪単価の情報がたくさんありますが、それだけでは家の総費用はわかりません。
建物本体のほかに、付帯工事・申請費用・登記・水道・解体・保険など、見落としやすい費用が積み重なっていくからです。
この記事では、私が工務店で建てた35坪・長期優良住宅・耐震等級3・準耐火構造のマイホームを例に、総額2,000万円(補助金差引後 約1,825万円)の内訳をできるだけ具体的に公開します。
この記事でわかること
- 工務店で35坪を建てた場合の総額と見積もり内訳(実額)
- 建物本体以外にかかる諸費用の全費目(水道・解体・登記・保険など)
- 補助金160万円を受け取れた理由
- 坪単価に騙されない「総額の見方」
- 2025年現在の相場と当時の実例の差
これから家づくりを始める方が、自分の予算感をつかむためのリアルな参考例として読んでもらえたらうれしいです。
【まず確認】2025年の注文住宅相場と私の実例の差
この記事の実例は数年前のものです。
住宅金融支援機構のデータによると、2024年4月〜2025年3月の注文住宅(土地借入なし)の全国平均建築費は3,932万円。私が建てた当時と比べて400万円以上上昇しています。
相場の推移(フラット35利用者調査より)
- 2024年度:3,932万円
- 2022年度:3,715万円
- 2020年度:3,532万円

あなたの希望条件を工務店に依頼したら、実際いくらになるかを先に見ておくと判断しやすくなります。
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【完全公開】工務店で建てた35坪・注文住宅の総費用内訳
工務店で建てた我が家の総費用の詳細を解説します。
我が家は補助金を160万円受け取り、実質総額約1,825万円で家を建てました。
ちなみに1,000万円台のお家のことをローコスト住宅と言います。
総費用の構成:3つの費目を理解することが最初のステップ
一般的にマイホームの総額は以下の3つから成り立ちます。
注文住宅の総費用の構成
- ① 建物本体工事費:家そのものの建築費
- ② 付帯工事費:給排水・仮設・カーテン・照明など
- ③ 建築諸手続き費:確認申請・設計料・地盤調査・長期優良住宅認定など
我が家は土地があったため、この3つの合計が「建物総額」になります。これに後述する「諸費用」を足したものが全体の総額です。
参考:35坪マイホームのスペック
- 1階床面積:55.89平米
- 2階床面積:57.96平米
- 延べ床面積:113.85平米(34.44坪)
- 工事面積:115.92平米(35.07坪)
- 仕様:耐震等級3・準耐火構造・長期優良住宅
① 建物本体工事費(税込み)
| 建物本体工事(税込み) | 16,053,272円 |
家そのものの価格です。工務店だったのでクローゼットや造り付けの棚など、かなりサービスしてもらいました。
② 付帯工事費(税抜き)
| 屋外給排水工事 | 480,000円 |
| 雨水排水接続工事 | 240,000円 |
| 仮設トイレ設置費 | 38,000円 |
| 仮設・幹線引き込み工事 | 166,000円 |
| 共通仮設工事 | 168,000円 |
| 管理諸経費 | 341,550円 |
| 残土処分費 | 200,000円 |
| 仮囲い(接道) | 30,000円 |
| 仮囲い(隣地) | 60,000円 |
| 安全管理費 | 50,000円 |
| 高基礎盛土工事 | 301,160円 |
| カーテン工事 | 281,000円 |
| 主照明 | 120,000円 |
| 付帯工事合計(税抜き) | 2,475,710円 |
我が家は高基礎にして土盛りをしたため、高基礎盛土工事が発生しています。土地の状況によってこの費目は大きく変わります。
③ 建築諸手続き費(税抜き)
| 確認申請手続費 | 158,000円 |
| 設計料 | 130,000円 |
| 工事監理料 | 168,000円 |
| 建物完了検査費 | 44,000円 |
| 中間検査特定工程費用 | 44,000円 |
| 地盤調査料 | 96,000円 |
| 基本設計料 | 100,000円 |
| フラット35申請図書作成費 | 48,000円 |
| 長期優良住宅認定費 | 197,000円 |
| 建築諸手続き費合計(税抜き) | 985,000円 |
長期優良住宅の認定費(197,000円)は決して安くありませんが、これにより補助金160万円を受け取れ、フラット35Sの金利優遇も適用されました。費用対効果は十分あったと感じています。設計も一級建築士が一から担当してくれたので納得の金額です。
付帯工事+建築諸手続費の合計(消費税10%込み):3,797,781円
【まとめ】35坪・工務店の建物総額
建物総額(税込):19,851,053円
補助金:-1,600,000円
実質負担の建物総額:18,251,053円(約1,825万円)

私のケースでは約1,825万円。では、あなたなら?
我が家のケースでは延床約35坪で実質1,825万円でした。
ただし、これはあくまで私の「過去の条件」での話です。
もしあなたが
- 土地から探す
- 外構に力を入れたい
- 断熱性をさらに追求したい
- 水回りや家事動線にこだわりたい
このどれかに当てはまるなら、物価高も相まって総額はさらに上がるでしょう。同じ坪単価でもこの数年で300万円以上ズレることは珍しくありません。
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注文住宅の諸費用はいくらかかる?費目別に実額を公開
1,825万円はあくまで「建物の総額」です。
家を建てるには、これとは別に「家以外にかかる諸費用」が必要です。
我が家の諸費用の総額は296万円でした。
建物1,825万円+諸費用296万円=合計約2,121万円が、土地なしで家を建てるためにかかった実質的な総額です。

諸費用の内訳(実額)
- 水道費用:68万円
- 解体費用:86万円
- 測量費用:56万円
- 銀行費用:45万円
- 登記費用:23万円
- 火災保険・地震保険:18万円
- 合計:296万円
注意点が2つあります。
- 親の土地に建てたため「土地購入」の諸費用はかかっていない
- 地盤良好だったため「地盤改良費用」はかかっていない(見積もりでは65万円を予算取りしていました)
一方で「解体費用」「測量費用」はかからない人も多いはずです。
諸費用の目安
一般的には諸費用は建物+土地の10〜12%が目安です。全国平均の建設費3,932万円(2024年度)を参考にすれば、393〜472万円が諸費用の目安になります。頭金として、これらを現金で払えるくらいの自己資金を用意しておくと安心です。

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水道工事にかかった費用:68万円
親の土地に建てたため土地代はかかりませんでしたが、水道工事は必須でした。
水道には加入権が必要で、仮に土地に水道が引き込まれていても管径が13ミリと細い場合は20ミリへの入れ替え費用が発生します。
私の住む地域の実例です。
- 13ミリの水道管加入権:10万円
- 20ミリの水道管加入権:18万円
2階建ての場合は20ミリが基本です。祖父から加入権を譲り受けたため差額の8万円のみ負担しました。
水道費用まとめ(実例)
水道加入権差額:8万円
水道引き込み工事:40万円
下水道引き込み工事:20万円
合計:68万円
※下水道引き込みは事情があり費用負担しましたが、自治体によっては公費で無料になるケースもあります。
解体工事にかかった費用:86万円
土地に古家があったため解体費用が発生しました。解体費用は建物面積・構造・地域によって変わります。複数社の見積もり比較が費用を抑えるポイントです。
解体後には滅失登記が必要で、3〜5万円かかります。自分で手続きすれば節約できます。
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地盤改良工事:不要(65万円の予算取りが必要なケースも)
我が家は地盤良好で改良工事不要でした。ただし見積もり段階では65万円を予算取りしていました。工法や土地の状況によって費用は増減しますので、依頼する工務店に早めに確認しましょう。
測量にかかった費用:56万円
土地の境界が不明確だったり、土地を分筆してから建築する場合は測量・分筆登記費用がかかります。我が家の場合は56万円でした。
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銀行(住宅ローン)にかかった費用:45万円
フラット35(楽天銀行)を利用しました。事務手数料・つなぎローン金利等で総額45万円かかりました。
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登記にかかった費用:23万円
司法書士に全て依頼した場合の目安はこちらです。
- 所有権保存登記:4万〜10万円
- 抵当権設定登記:10万〜13万円
- 建物表題登記:7万〜13万円
我が家の登記費用(実例)
- 楽天銀行指定の司法書士による抵当権設定登記:13万円
- 表題登記:6万円
- 所有権保存登記:4万円
所有権保存登記・建物表題登記は近所の司法書士に依頼したことで費用を抑えられました。
火災保険・地震保険にかかった費用:18万円
火災保険は構造によって金額が大きく変わります。
保険料に影響する2つの構造
- 準耐火構造か否か
- 耐震等級があるか否か
我が家は準耐火構造・耐震等級3のため保険料を大幅に抑えられました。10年一括払いで18万円です。耐震等級なし・準耐火なしの場合は10万円近く変動します。
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1,825万円で実現した35坪の間取り
この金額でどんな家が建つのか、実際の間取りを紹介します。
1階の間取り図

2階の間取り図


間取りを考える・作る方は以下の記事も参考にしてください。
35坪2,000万で実現した間取りをさらに詳しく
坪単価のからくりと総額を抑える3つの鉄則
坪単価のからくり
我が家の坪単価を計算するとこうなります。
18,251,053円 ÷ 113.85平米 = 1平米あたり160,307円
1坪(3.30平米)換算で 約52.9万円/坪
ただしこの数字をハウスメーカー間で単純比較してはいけません。
坪単価は業界統一のルールがないため、会社によって計算方法が異なるからです。
坪単価の2つのからくり
- 分母の違い:「延べ床面積」ではなく「工事面積(施工面積)」で計算して安く見せているケースがある
- 含める費用の違い:付帯工事や諸費用の一部を除いて計算しているケースがある

総額を抑えるための3つの鉄則
① 形状の「シンプル化」で建築コストを根本から削る
家の形を複雑にすると、基礎・屋根・外壁の資材と施工手間が大幅に増え坪単価が跳ね上がります。凹凸のない「総二階」を基本とし、屋根は切妻や片流れなどシンプルな形状を選ぶほどコストを抑えられます。
② 間取りで「無駄な面積」と「配管コスト」をなくす
廊下・ホールを最小限にして居住スペースの割合を最大化する間取りを考えましょう。またキッチン・浴室などの水回りを上下階で集中配置することで、高額な給排水配管工事費を抑えられます。
③ 断熱性能はZEH基準を最低ラインに最適解を見極める
断熱性能(UA値)はZEH基準(断熱等級5)を最低ラインとして、予算と求める快適性のバランスでG2(等級6)への引き上げを検討するのが賢い選択です。高性能になるほど費用は数百万円単位で上がります。
地域区分 1・2 3 4 5 6 7 代表都市 札幌 青森市・盛岡市 秋田市・山形市・長野市 仙台市・宇都宮・福島市・新潟市 東京都23区・さいたま市・大阪市・名古屋市 和歌山市・下関市・高知市・長崎市 断熱等級7(G3相当) 0.20以下 0.20以下 0.23以下 0.23以下 0.26以下 0.26以下 断熱等級6(G2相当) 0.28以下 0.28以下 0.34以下 0.34以下 0.46以下 0.46以下 HEAT20(G1) 0.34以下 0.38以下 0.46以下 0.48以下 0.56以下 0.56以下 断熱等級5(ZEH基準) 0.40以下 0.50以下 0.60以下 0.60以下 0.60以下 0.60以下 断熱等級4(平成28年基準) 0.46以下 0.56以下 0.75以下 0.87以下 0.87以下 0.87以下
あなたのお住まいの地域区分は国土交通省:地域区分新旧表で確認できます。
参考:UA値とは
外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅内部から床・外壁・屋根などを通じて外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。値が小さいほど熱が逃げにくく省エネ性能が高いことを示します。
結論:総額は「平均」ではなく「あなたの計画書」で決まる
注文住宅の総額は平均値では判断できません。
- 土地の状況(地盤改良が必要か・水道工事はいくらか)
- 選ぶ工務店・ハウスメーカーのグレード
- 家族に必要な間取りと広さ
- 求める断熱性能・耐震レベル
これらが複雑に絡み合って最終的な総額が決まります。ネット上の誰かの見積もりをいくら眺めても、「あなたの場合の正解」は見えてきません。
\こんなに金額差がでるなんて!/

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・可能であれば、実際のお施主様の建築実例
(建物本体価格、付帯工事費、仕様、面積など)
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