「注文住宅で最もやってよかったと思う間取りアイデアは?」とアンケートを実施し生の声を集めました。
そんなリアルな声をもとに「やってよかった!」と感じた間取りの工夫をランキング形式でご紹介します。
注文住宅の間取りで後悔しないために|アンケート調査を実施!
アンケートはクラウドワークスを使い、注文住宅で実際に家を建てた方50人を対象に実施しました。
アンケート調査内容
- 注文住宅で「最もやってよかったと思う間取りアイデア」を1つ挙げてください(記述式)
※同様の回答は集約し、読みづらい箇所は一部訂正・編成しました。
やってよかったと人気の間取り・設備ランキング【ベスト6】
1位 回遊動線(キッチン~水回り)で家事が楽になりました!
回遊動線はキッチン~水回りを「クルクル」と回れる間取りのこと。
家事動線や衛生動線が効率的になるので生活するのに大変便利です。

実際に、回遊動線を取り入れよかったという意見を見てみましょう。
女性
リビング⇒キッチン⇒洗面所⇒廊下⇒リビングとグルグル回れるようにしたことで特に洗濯を干しに行くときの動線が本当にいいです!
女性
LDK⇔洗面所⇔ファミリークローク⇔物干しスペース⇔和室⇔LDKと回遊できるようにしました。洗濯~乾燥の時の家事動線がとても良く家事がしやすいです。
男性
女性
玄関から近い位置にキッチン⇒洗面⇒お風呂を一直線に配置しました。帰宅後最短距離で手洗いうがいができるので気に入っています。キッチンで作業をしている時もお風呂に入っている子供の様子が分かるのも安心です。
2位 ファミリークローゼットでお洋服の収納が楽々になりました!
洗濯物を子供部屋、寝室、脱衣室、和室など各部屋に収納するのは一苦労ですよね。
ファミリークローゼットを設けることで家族の衣服を一か所に収納できるので不便を解消できます。
しかも、ランドリールームや部屋干しコーナーと隣接すること(回遊動線に組み込むこと)で干して畳むまでの動作を最短につなげることも可能ですね。
ファミリークローゼットを取り入れよかった声を見ていきましょう。
ファミリークローゼットを取り入れてよかったという声
- ランドリールームとファミリークローゼットを隣に配置したので干して畳んで2~3歩で収納できるのでとても楽です。洗濯物を持っていろんな部屋に置きに行かなくていいので時短になりました。
- 一階リビング横にファミリークローゼットを設置しました。洗濯物や毎日使うバッグなどの片付けが楽になったし子供たちも自分で洋服の片付けを積極的にしてくれるようになりました。
- ファミリークローゼットが一番のお気に入りです。家事動線がよく洗濯物やカバンをリビングに置きっぱなしにすることがなく常にリビングが片付いています。
ファミリークロゼットを「鞄」の収納に使っている方もいらっしゃるのですね。
確かにリビングには「鞄」「コート」などの置き場が無いと不便です。
我が家はスペースの関係上ファミリークローゼットは採用しませんでしたが、コートクロークやリビング収納を用意しました。
敷地面積に合わせて可能な範囲で上手に取り入れたいアイデアの1つですね。
リビングクローゼットをさらに詳しく
3位 シューズクローク:思い荷物の持ち込みが楽&収納量も十分です!
シューズクロークは「玄関収納」として利用する方が多いです。
例えば「ベビーカー」や「掃除用品」「季節用品(雪かきなど)」「DIY用品」「キャンプ用品」「カー用品」「自転車」などの収納スペースとして利用されています。
実際にシューズクロークを設けた方の声を見ていきましょう。
女性
玄関からキッチンにつながる大きな収納スペースを作ってよかったです。重い荷物もそのまま運べるので収納するのにとても便利です。
女性
玄関をあけてまっすぐシューズクローゼットを通ってパントリーに直通で行けるので荷下ろしが楽です。
男性
玄関のシューズクロークは色んな荷物を置くのに重宝しています。季節ものの靴や子供の遊び道具、掃除道具、キャンプ道具やDIY道具、車用品など屋外に物置スペースを確保できなかったので用意してよかった。できればもう少し広く確保しておけばとも思っています。
パントリーに直結するウォークスルータイプを設けている方もいらっしゃいますね。
お米など重いものを楽に運び込める動線を確保しておくと便利だと思います。
ただしシューズクロークは通路幅+収納幅が必要となるので床面積に制約がある方は難しいかも知れません。
狭過ぎる通路幅だと使い勝手が悪い中途半端な収納になりがち。
シューズクロークを「納戸」として使う計画なら「物置」で代替も可能ですよ。
4位 小上がりの和室が収納も兼ねて便利でした
小上がりの和室を、くつろぎ空間だけでなく「収納空間」として併用するアイデアが好評です。
女性
リビングに小上がりの和室を取入れました。子供とのお昼寝で和室に寝転がると、畳の気持ちよさもあいまって心地よい空間であると体感しています。また、下段には収納スペースもつけたことでおむつ等もまとめて収納できて便利です。
男性
和室とは別にリビングの一角に小上がりのような小さな和室を作ったのが良かった。子どもはフローリングのリビングより畳の小上がりの方がお気に入りのようです。リビングで寛いでいる間小上がりで遊んでくれるので助かっています。
女性
季節ごとのイベントの品々(お雛様、兜、扇風機、クリスマスグッズ、ハロウィングッズなど)の収納に非常に役立っています。
5位 十分な収納を確保して良かった(ロフト・おおきな納戸)
家づくりの後悔で多いのが収納が足りなかったという声。
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収納を十分に確保してよかったという声を見ていきましょう。
女性
2階の一部屋の下に納戸を作ったことです。1つの部屋は中2階になってしまいますが、高さが120センチ・広さ8畳ほどあるので大きな物・季節用品などを閉まっておけるので便利です。
女性
結構広いロフトを間取りに入れられるということだったので、荷物置きとして使っています。子供たちの隠れ家的な使い道もあり、子供の友人が泊まりに来る時はロフトで遊んで寝ているので取り入れて良かったと思っています。
収納場所は多すぎると物が増えますし、逆に少なすぎると溢れます。
使う場所の近くに収納場所をつくるのが便利な収納の基本です。
収納計画については以下にまとめているので参考にしてください。
収納計画をさらに詳しく
6位 キッチンを対面にしてよかった
キッチンには主に3つのタイプがあります。
- 壁付けキッチン
- 対面キッチン
- アイランドキッチン
3は島のようにキッチンが独立しており周囲をくるくると回れます。
使い勝手は良いですが、かなりのスペースを要します。
一方で壁付けキッチンは最小限のスペースで実現可能。
対面キッチンは壁付けキッチンよりスペースは必要ですが、家族の顔を見ながら料理ができるのが特徴です。
対面キッチンを取り入れてよかったという声を見ていきましょう。
女性
キッチンからリビングや和室全体を見渡せるようにしたこと。それによって後ろを振り返ることなく、料理をしながらでも、子どもの様子がわかるようになってとても楽になった。
我が家も対面キッチンにしました。
快適な通路幅を設計士さんと相談しくつろぎのスペースを圧迫しすぎない、それでいて家事が楽なちょうどよい通路幅にしました。
通路幅の目安は我が家の事例も参考になればどうぞ。
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注文住宅に取り入れて良かったその他の間取りアイデア
複数回答が無いものの参考になる間取りアイデアがいくつかありましたので「これは!」と思うアイデアを抜粋して紹介しました。
書斎やユーティリティスペースはリモートワークに便利でした
我が家もミニ書斎を作りましたが「リモートワークやブログ執筆時」に役立ってます。
ユーティリティスペースは家事室の意味合いで使われますが、以下の口コミのように用途を限定しない使い方もいいですね。
女性
子供部屋、和室、客間など具体的な用途にせず、あえてどんな目的でも使えるよう、間仕切りなども可動式にして使える部屋を作りました。来客時は引き戸を閉めてプライベート空間にしたり、ママ友の集まりの際は仕切りを設けずオープンにし、子供が広々と動き回れる空間にできたりと幅広く使えます。将来的に家族構成が変わっても使いやすいなと思いました。
女性
2階寝室奥に夫の書斎を作ったことです。コロナ禍になる前に家を建てましたがその時は書斎は必要ないと思っていました。コロナ禍でリモートワークが増えたので書斎を作ってよかったと思います。
ミニ書斎なら広い空間がなくても実現可能です。
狭いから落ち着きますし、私お気に入りのスペースですよ。
ミニ書斎をさらに詳しく
勾配天井で解放的な空間に
土地の大きさによってはLDKを広くとれない方もいらっしゃるかもしれません。
勾配天井にすることで開放的に仕上げることもできますね。
女性
リビングの天井を勾配天井にしたことです。もともとリビングを開放的にしたい、広々とした空間にしたいと思っていたので勾配天井にしたことでより開放的に感じるようになりました。
平屋にしてよかった
広い土地があるなら平屋にするのもあり。
高齢になっても安心して住み続けられます。
また2階に子供部屋を作ったとしても、将来独立して不要になれば、高齢になるほど2階のメンテナンスは大変なようです・・・。
男性
平屋にしたことで階段もないし、ほぼ廊下もないので家の中が広々と感じられます。家族との距離感も近いし、コミュニケーションも取りやすいし行き来もしやすいです。
2階リビングで日当たり抜群にしてよかった
日当たりが悪いような立地によっては、2階にLDKを作るのもありでしょう。
女性
LDKを二階にし、同じ階に洗面所、浴室、トイレを配置したことです。子どもがまだ小さいこともありますが、1日のほとんどが二階で完結します。買い物などの外出から帰って、二階まで上がるのは大変ですが、一度上がれば寝るまで二階で全てが済みます。日当たりがあまりよくない立地ですが、真冬でも日が入り、入浴後も寒くならず、すぐに暖かいリビングへいけます。
ニッチ
ニッチを計画的に設計しておくことで「携帯充電スペース、家族の写真を飾るスペース」などとして利用が可能です。
費用もさほどかからずおしゃれで便利な空間を演出できますよ。
女性
洗面所に大きめ/浅めのニッチを作りました。最初はタオルの収納をするために作るつもりでしたが、居住後は妻が化粧品を並べるのに使っております。ビジュアル的にも機能的にも大満足です。
女性
玄関ニッチを作って物を飾れるようにしたり、シンプルな壁にガラスブロックをはめて少しおしゃれに見えるように工夫したことが良かったと思います。
ルーフバルコニーでひと夏の贅沢を楽しんでいます
男性
ルーフバルコニーを取り入れたことです。吹き抜けを諦めてルーフバルコニーを取り入れたのですが、バーベキューができて夏は近隣の花火大会を見ることができるので良かったです。涼しい時期は、ハンモックでだらだらしながらビールを良く飲みます。
ルーフバルコニーは完全に場所を選びますが、実現できたら快適でしょうね。
屋根が無いので日差しが降りそそいで快適でしょうし、2階リビングの延長に設ければ空間の視覚的な広がりも出来て快適でしょう。
夏場に花火を見ながらビールやバーベキューなんて最高ですね!
出来るものなら採用してみたいご意見でした。
他の人が「やってよかった間取り」にも、実はある落とし穴
無駄になっていない?その回遊動線
回遊動線は人気のアイデアですが、やみくもに取り入れると後悔します。
回遊動線を採用するにはそれだけ「廊下が増える」ということです。
建築面積が狭いと、廊下が増えるほど生活スペースが圧迫されてしまいます。
- 十分な収納が確保されているのか?
- 回遊動線がプライバシーを阻害しないか?
- 回遊動線で生活が本当に便利になるのか?
回遊動線を採用する目的を明確にした上で採用しないと後悔します。
回遊動線を採用するための注意点や失敗例は以下記事にまとめています。
回遊動線の成功例・失敗例をさらに詳しく
リビング階段は寒い?
リビング階段は2階に上がる際にリビングを経由する必要があるため、子供部屋に行く際に必ずお子さんと顔を合わせられる利点があります。
子供が成長すると玄関から部屋に直行するパターンも多くなりますからね。
家族のコミュニケーションのきっかけづくりにリビング階段を採用するご家庭も多く人気アイデアの1つです。
実際にリビング階段を採用した方の声を見てみると・・・
女性
家族が多いと煩わしさからリビングを避けがちな時がありますがリビングを必ず通る間取りにしたことで家族間の交流を疎遠にすることなく取り入れて良かったと思っています。
女性
リビング階段がよかったです。子ども部屋、寝室に行くのに必ず通るので、顔が見えるのがやはりよかったです。無印の壁につけられる家具を使って階段の壁面に子どもの賞状や絵も飾れていいです。
好意的な声もあります。
一方で、注文住宅経験者100人に実施したアンケート「注文住宅で後悔したこと」によると、間取りに後悔している方が多く、その中でもリビング階段に後悔している方がとても多いです。
その声の共通点は「冷たい風が階段をつたって降りてくる」「暖かい空気が逃げてしまう」「子供の友達が遊びに来た際にリビングを見られる」という声。
リビング階段自体は素晴らしアイデアですが取り入れ方を間違えると後悔する方も多いのでよく専門家に相談した方が良いでしょう。
注文住宅の後悔ランキングをさらに詳しく
「やってよかった」間取りの共通点と工夫ポイント
間取りで意識したい3つの動線(家事・生活・来客)
回遊動線が人気な理由は家事動線が効率化されるからです。
しかい回遊動線が生活動線とかぶるとどうでしょう。
例えば必ずテレビとソファーの間を通らなくてはいけない動線では満足度が低下していしまいます。
家事動線と生活動線をイメージして間取りを考えるのが重要です。
また、来客動線も重要です。
来客が多いご家庭だと毎回リビングを通られるとプライバシーの確保ができません。
この3つの動線をイメージして動線に無理がないのか、または意味のある動線なのか考えることが大切です。
収納と動線をリンクさせると満足度が上がる
回遊動線と、ファミリークローゼット、シューズクロークとパントリーなど、収納と動線をリンクさせると間取りの満足度が上がっていることが分かります。
将来を見据えた設計が「やってよかった」につながる
子供が成長した時、もしくは夫婦が高齢になった時を見据えた間取り設計が「やってよかった」につながります。
生の声も踏まえながら見ていきましょう。
洗面所と脱衣室の分離
洗面所と脱衣室は1部屋として計画する方が多いかも知れません。
女の子が多いご家庭だと「洗面所」で朝渋滞が起きる可能性がありますよね。
ドライヤーが終わるまで洗面所が渋滞なんてこともありがち。
しかも朝シャワーをしたいのに入れないなんてことも起こりえます。
そんな時に便利なアイデアが「洗面所・脱衣室」の分離です。
中には洗面台を複数用意するご家庭もありますよ。
女性
- 女の子が3人いるので、洗面所と脱衣所を分けました。脱衣所を使っている時でもドアで仕切られているので洗面所を使うことができます。また脱衣所は洗濯物を干すスペースとしても使えるので一石二丁です。
1部屋から2部屋に変えられる子供部屋
お子さんが小さい頃は大きな部屋を1部屋として利用し、個別に部屋が必要になった時は2部屋に分けるアイデアがあります。
女性
12畳程度の広い部屋に間仕切りとしても利用できる可動式の棚を置きました。子供が小さい時などは広い1つの部屋として使用でき、6畳の2部屋としても臨機応変に使用できる点が子供が成長した今良かったと思いました。
老後を視野に入れて1階に和室
我が家も和室6畳を1階に用意しました。
将来高齢になった時1階で寝起きするためのスペースも兼ねています。
引き戸で仕切れる空間にしたのでリビングでテレビを見る人、和室で読書する人と使い分けができて便利です。

和室の後悔をさらに詳しく
男性
リビング続きに段差のない和室4.5畳を設けました。2階の寝室まで登るのが大変になる今後の子育てや、老後の足腰の不安を取り除いてくれるのでこの間取りにしてよかったです。また、仕切りがあるので両親が泊りに来た際も活躍してくれるお部屋になっているし、押入れを2つ設けて1つは布団や座布団の収納スペース、もう1か所はクローゼット収納にしていて仕事着をここに収納しているため朝の支度も1階で済むから便利です。
【やってよかった!】施主が実践した、上手な間取りの伝え方と工夫
いくら良いアイデア・間取りを思い描いても、上手に営業マンや設計士に伝わらなければ意味がありません。
そこで最後に建築主が実践した上手な間取りの伝え方・工夫を紹介します。
女性
自分たちの理想を説明する時に参考にしたネットや雑誌の写真を必ず見せるようにしました。言葉だけではなかなか伝わらないことや、お互いが思い違いしていることを防ぐことができたと思います
女性
自分で間取りを考えて営業さんに提案しました。家は安い買い物ではないので絶対に後悔したくありませんでした。後からこうした方がよかったのでは・・・と思うのは嫌だったので間取りを提案し営業さんに意見をもらうことで納得できる間取りにできました。
男性
3Dマイホームデザイナーというソフトを購入し実際の間取りを立体化し可視化しました。メーカーの担当者に見ていただきながらこちらの要望をしっかりと伝えることができイメージ通りの家を建てることができました。
私も間取りを自作しました。
自作する際の注意点などはこちらの記事にまとめています。
間取りの自作についてさらに詳しく
50人が答えた注文住宅でやってよかった成功のポイントは以下記事にまとめています。
注文住宅成功のポイントをさらに詳しく